[川(東)] 誓約の幹部 : ────さて、話をしよう。
[川(東)]
誓約の幹部 :
遡るは48時間程前。
下っ端では手に余る、などと言う不届者へと直々に処罰を下そうと足を運んだ──はず、だった。
[川(東)] 誓約の幹部 : 交戦中、怪しげな呪言を唱えられたかと思えば……気が付けば、森の中に居た。
[川(東)] 誓約の幹部 : 転移魔法か、と察したのはその直後。つまり、最早手遅れとなった時だった。
[川(東)] 誓約の幹部 : 仕方がない、と転送された先をしばらく探索したが人っ子一人居やしない。高台から見渡せばそこは海に囲まれていて、ここが離島である事は誰の目に見ても明らかだった。
[川(東)] 誓約の幹部 : 深いため息を付きながら、男は野営準備を始め……そうして、一夜過ぎ今へと至る。
[川(東)] 誓約の幹部 : 救助が来る様子は、未だ無い。
[川(東)] 誓約の幹部 :
[川(東)] 誓約の幹部 : 「……さて」
[川(東)] 誓約の幹部 : 1d6 1~2:なにも 3~4:1d6匹釣れた 5:1d10匹釣れた 6:変なの釣れた (1D6) > 2
[川(東)]
誓約の幹部 :
な
に
も
[川(東)] 誓約の幹部 : 「…………」
[川(東)] 誓約の幹部 : 慣れぬ釣りにしばらく悪戦苦闘したかと思えば、諦めたかのように竿代わりの枝を置く。
[川(東)] 誓約の幹部 : 深いため息。治癒能力により体力の消耗を抑えていたが、それにも限度がある。
[川(東)] 誓約の幹部 : ……ぐう。
[川(東)]
誓約の幹部 :
腹の音が僅かに鳴った。
誰もいないとは言え、プライドの高いこの男とすれば自分のそのような姿を見ることすらストレスとなる。
[川(東)] 誓約の幹部 : 舌打ちの音が、誰もいない川沿いへと響く……。
[川(東)] 誓約の幹部 :
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)] 城島茂 : 「見つけたで。川や」
[川(東)] 城島茂 : 「ここを遡ってくのが早そうやな…飲み水も手に入るし」
[川(東)] 城島茂 : さっき拾ったなんかいい感じの棒を手に川の縁に立っている
[川(東)] 城島茂 : 少し水を口に含み、すぐに吐き出す
[川(東)] 城島茂 : 「まださすがに汽水域か…しょっぱい」
[川(東)] 城島茂 : 「喉乾いたしそろそろ水が飲みたいなぁ…」
[川(東)]
城島茂 :
いい感じの棒を杖代わりに川を上っていく
川辺は滑りやすいので注意が必要だ
[川(東)] 城島茂 : 「!」
[川(東)] 城島茂 : 「魚がおるで!」
[川(東)] 城島茂 : 途中、川の中に黒い影を見つけテンションを上げだす
[川(東)] 城島茂 : 「にしても自然豊かないいとこやなぁ…植生的にも亜熱帯にはいかないくらい……やっぱりDASH島の傍なんかな…?」
[川(東)]
城島茂 :
「川辺の石的には…火山島っぽいんねやな」
「あれがそうなんかな…」
島中央の山を見上げ
[川(東)] 城島茂 : 「やっぱDASH島と似てるようで似てない」
[川(東)] 城島茂 : 「……ほんまに漂流してもうたんやな…」
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)] 城島茂 : 小一時間後、汽水域を抜けてようやく一息つく
[川(東)]
城島茂 :
「あー、真水はうまいなぁ!」
「ほんまは煮沸したほうがいいねんけど…まあ見た感じ動物の死体とかないしな」
[川(東)]
城島茂 :
「ほんなら本格的に人探し…と行きたいけど」
「今まで人工物あらへんかったからなぁ…」
[川(東)]
城島茂 :
この川は流れも緩やかで、かなり条件良い
人が住まうならこの傍の可能性が高いが、それらしきものは見当たらなかった
[川(東)]
城島茂 :
やはり無人島である可能性が高い
そうなると、人を探してるだけではどうにもならず…
[川(東)] 城島茂 : 「……切り替えようや。暗くなる前に寝床と火の用意やな」
[川(東)]
城島茂 :
川辺が開けたあたりで、ここの傍に今晩の寝床を作ることを決意
その準備に取り掛かる…
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)] 城島茂 : 「寝床はできた」
[川(東)]
城島茂 :
大木に木の枝を立てかけ、それに格子状に木の枝を組んだ屋根がついている
屋根には落ち葉がかぶせられ、雨風を防げるようになっていた
[川(東)] 城島茂 : 「これで多少の雨風は大丈夫やな。元々風が弱い場所を選んだし、飛ばされることもまあないやろ」
[川(東)] 城島茂 : 「さて、次は火やな」
[川(東)] 城島茂 : 「これさえ揃えば、夜でも活動できる」
[川(東)]
城島茂 :
問題は火を起こす方法である
様々な方法があるが、ここで城島茂が取った選択は…
[川(東)]
城島茂 :
ポケットの中に入っていた老眼鏡を取り出す
そして、レンズの凹面に川の水を流し込む
[川(東)] 城島茂 : 城島がやろうとしているのは、レンズで太陽光を収束させ高熱を発生させる手法だ
[川(東)]
城島茂 :
しかし、眼鏡のレンズは同じレンズでも、この方法に使うことはできない
なぜなら凹面と凸面が存在するからだ
[川(東)]
城島茂 :
しかし、レンズに水を垂らすことでそれは変わる
水の表面張力により、両方とも凸面とすることができるのだ
[川(東)] 城島茂 : 「こうやって水を張って…あとは落ち葉に当てるだけや」
[川(東)]
城島茂 :
そうして今、太陽光が収束し
落ち葉の一点へと照射━━━━
[川(東)] 城島茂 : されなかった
[川(東)] 城島茂 : 「あかん…手が震えて一か所に当てられへん」
[川(東)] 城島茂 : 老いとはつらいものである
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)]
城島茂 :
結局、城島は木の枝を駆使して眼鏡の固定に成功
どうにか火起こしをすることができたのだった
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)]
城島茂 :
火と寝床を確保し、薪を集める最中に採取した野草で飢えを凌いでいたが
このままではダメだと決意した城島は動き始める
[川(東)] 城島茂 : 炎の中にポケットに入っていたプラスチック製のカードを放り込む
[川(東)]
城島茂 :
これらは環境には悪いが、濃い色の煙を出すことができるのだ
つまりは狼煙である
[川(東)]
城島茂 :
そして、それらを3つ並べる
これは国際的な狼煙の信号であり、SOSを意味するものだ
[川(東)] 城島茂 : 3つの煙が空に上がり、遠目からでも視認できることだろう
[川(東)] 城島茂 : 「さて、後は待つだけやな」
[川(東)]
城島茂 :
火の前に座って、呟く
随分と長居をしてしまった。これでは収録に差し支えが出るだろうが…
[川(東)] 城島茂 : 「……まあ、たまにはこういうのもアリ、やな」
[川(東)]
城島茂 :
久しぶりにのんびりとした時を過ごすことができた城島だった
狼煙が船に発見されるのは、それからしばらく後のこと━━━━━━━━
[川(東)] 城島茂 :
[川(東)] 城島茂 :